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被災した写真を洗浄するためのマニュアルを作りました。 写真洗浄の際の参考になれば、幸いです。 調べて作業した経験から作っていますが、 これから補完して完成させてしていきたいと思っています。 是非、皆さんのご意見、お願い致します。 (急いで作ったために乱筆乱文、誤字脱字がありますが、お許しください) #
by rescuephoto
| 2011-04-29 22:31
| 洗浄の概要
写真の洗浄において、最も大切なのが、写真の持ち主のために作業するということです。 そのためには、丁寧に洗うことだけでなく、探しやすい状態にすることも必要です。 総合的に考えて、どうのように作業するのがいいのか、 1人で考えるだけでなく、回りの人達と相談して作業するとよいと思います。 以下は、簡単に概要を記していますが、それが最良とはかぎりません。 1例と思ってください。 集められた状態を見て、仕分けします。 できるだけ同地域、1つの家庭にあったと思われる写真等をばらばらにしないようにしてください。 たとえば袋や箱に入れたりして、1つの梱包に、同じ地域を写真を1区画にまとめる等、工夫してください。 1枚づつ分かれているものは、別途、箱等に入れて管理してもいいでしょう。 文化財担当(あるいは司書等)の協力が得られれば効率的に行くと思われます。 洗浄するときには、あらかじめ仕分けされた箱や袋ごとに行います。 劣化の早いプリントから作業を始め、その後フィルムの作業を行といいでしょう。 洗浄の前に、どのような処理を行うか、材質を確認して洗浄してください。 材質、形状による違いは以下の通り。 (詳しくは材質等の見分け方のポストを参照してください) 写真プリント 印画紙のプリント(写真屋で行われたプリント、ポラロイド) (裏に Fuji、Kodak、Konika、Sakura 等と書いてある厚手もの) ジェットプリンターによるプリント (裏に キャノン、エプソン、コクヨ 等の専用用紙) 昇華プリント(セルフプリント機の1部、DNP、FUJIFILM Quality Thermal等と書いてある) 触ったらボロボロになるような、古い写真。 アルバム 写真フィルム(古いものは取り扱いに注意が必要) ネガフィルム(色が濃いオレンジや白黒で6枚程度つづられたもの) ポジフィルム(スライド写真、ケースにはいったもの) 8ミリや16ミリの映写用フィルム (通常、巻かれた状態で保存されている) 洗浄後、日陰で乾かします。 基本は吊るして干す、もしくは新聞紙等の上に置いて干してもよいでしょう。 専用の乾燥機(温風式)があると、効率的です。 乾燥後、最初に仕分けした状態に戻して保管、展示します。 処理された写真は、劣化が通常より早いことが予想されます。 何年も経たないうちに薄くなったり色あせることになると思います。 また汚れ、折れ、破れ等も多いでしょうからデジタル等で補修して プリントし直すことが望ましいでしょう。 その旨を伝えて、受け取ってもらうようにしてください。 #
by rescuephoto
| 2011-04-29 22:25
| 洗浄の概要
これは、私の行っている作業工程の1例です。参考にしてください。 干している写真を片付ける 前日に干した写真は、乾燥しているのを確認して仕舞う。 洗濯ロープに吊るされた写真は、まとまった写真ごとに、 使っていない洗濯ばさみで、区分けされている。 区分けごとに、まとめてポケットアルバム等に仕舞う。 バラの写真は、区分けがないので、写真を見て、箱等に仕舞っていく。 水の掛からない所に保管する。 洗浄 1箱ごと順に写真を手分けして洗っていく。 写真を探しやすいように、ポケットアルバム等のまとまった写真は、1箇所で扱う。 乾燥 洗い終えた写真は、洗濯ばさみで吊るして乾燥させる。 まとまった写真は、まとめて干して、使わない洗濯ばさみを区切りにする。 作業の終了 時間を見て、余裕を持って終了の準備を始める。 掃除、汚れた水捨て、きれいな水を入れておく。(次の日が休みの時は空にする) 次の日に来られるボランティアさんが気持ちよく作業できるように、きれいに使いましょう。 #
by rescuephoto
| 2011-04-29 22:24
| 洗浄の概要
プリントの種類によって洗浄作業の仕方が異なります。 そのために作業する前に材質を見分けることが重要です。 印画紙 通常、写真専門店でプリントされた写真 比較的厚手の紙が多く、Fuji、Kodak、Konika、Sakura、AGFA 等と書いてあります。 (フジの場合はインクジェット用紙、昇華プリントの場合があるので注意) 裏面にプリントの日時や番号が印字されているものが多く、 濡れても、にじみがなければ印画紙と思ってよいでしょう。 色が剥がれているのも多く、下層の黄色い色が出ている場合は確実に印画紙です。 ポラロイド写真 写真の感光面が正方形で厚く裏に薬剤があり、黒いビニール状のものが付いています。 ジェットプリンターのプリント ジェットプリンターの写真専用用紙は、キャノン、エプソン、コクヨ 等の プリントメーカー以外の名が書かれていることが多いです。 フジは両方出ているので注意が必要でしょう。 写真を良く見て、にじみがあればジェットプリンター用紙と考えられます。 印画紙の剥がれと間違えないようにしてください。 昇華プリント 昇華プリントはセルフプリント等で使われる熱定着方式のプリントです。 裏面にFUJIFILM Quality Thermalや、DNP等と書かれています。 2枚以上が貼りついた写真が、比較的簡単に剥がれる場合は昇華プリントです。 #
by rescuephoto
| 2011-04-29 22:23
| プリントの見分け方
印画紙(普通の写真屋でプリントされたもの)ポラロイド写真 洗浄方法 印画紙は紙の上に3色の層があり、それで濃淡が付いています。 (白黒写真は黒い層) その層、表面は、ゼラチンの薄い層で保護されていますので、 長く水に浸かったものは、ゼラチンが軟らかくなり層が剥げやすくなります。 すでに剥げていると、層の最後の色、黄色の部分だけが残ってて、 プリントの端や傷の付いた部分が黄色くなっている場合もあります。 そういった写真の取り扱いには、注意が必要です。 写真は既に黄色い最後の層が出ている写真です。 最初に写真を水に浸し、状態をみながら、泥や汚れがやわらかくなるまで水に浸して待ちます。 その間に裏面の泥を落とすと効率的です。 写真をしっかりと掴むと表面を傷つける可能性があので、 縁を持って写真をささえるようにして、表面を触らないように支えてください。 汚れ、泥がやわらかくなったら、ぬるま湯(20度程度)の水の中でやさしく指の腹や筆で汚れを落とします。 落としにくい泥や汚れは、時間をかけてゆっくりと表面から溶かすように落としてください。 あまり強く急いで作業すると、表面が剥げてしまうので、注意してください。 特にこの写真のように色が剥げて、黄色や白地が見えているものは、注意が必要です。 痛みの進んだ写真は、ぬめりがあり、擦っただけで表面が剥げてしまいます。 やわらかい筆を使ったり、軽くトントンと押すような、触るような感じで落としていくのがコツです。 自信のないかたは筆を使うことをお勧めします。 筆は使い古しの習字の筆のような、腰の無くなったものがいいでしょう。 なかなか落ちない汚れについては、無理に落とさない事も大切です。 汚れは将来的に落とせる可能性がありますが、 インクが落ちてしまうと復活やデジタル処理ができません。 難しい汚れは、途中であきらめることも肝心です。 洗浄後にきれいな水に通します。 出来るならば、カビ防止のために、作業は塩素の入った水道水が望ましいでしょう。 (塩素が多すぎると写真の劣化を促進させるので、水道水程度の含有量をお勧めします) 乾燥は日陰で風通しの良いところで行います。 洗濯ばさみ等で吊るして日陰干しにします。 もしくは表側を上にして、タオルや新聞紙等の上で自然乾燥させます。 乾燥後、カールしたものは、剥離紙(クッキングペーパーでもよい)にくるんで、 重しをのせてカールを直すことができます。 剥離紙にくるんで、電話帳等の重い本の中に入れ、重しをのせると効率的です。 (これは写真の持ち主にやってもらうといいと思います) --------------------------------------------------------- 印画紙の洗浄において、ミョウバンを使うと効果的ということがあります。 ミョウバンにはゼラチンを硬化させる性質があり、 水で軟らかくなった印画紙の表面を硬くする効果があります。 分量的には諸説ありますが、Ph値が酸性で効果がでます。 およそ、1Lの水/15gのミョウバン/15gの酢酸(クエン酸) で印画紙のゼラチンの硬化剤となるでしょう。 もうすこし薄くてもいいかもしれません。 水洗いの前に、数分漬けることで効果がでると思います。 効果が薄れてきたら、ミョウバンと酸を足してください。 ホルマリンも同様の効果があるのですが、 入手の難しさ、作業の環境や廃棄のとこを考えると、 普通に売っているミョウバンがいいと思います。 ------------------------------------------------------ 洗浄後に水切り剤を使うと、水の乾燥跡が残りにくくなります。 本来なら写真専用が望ましいのですが、中性洗剤でも代用できます。 分量は、ほんの少し、といったところです。 泡が出るほど混ぜてはいけません。 判断できないときは、使わなくてもいいでしょう。 ------------------------------------------------------ 印画紙のとって暖かい水は、ゼラチンを軟化させて劣化の原因になります。 汚れにとって、とくに油汚れは、冷たい水では落ちにくいでしょう。 作業する人にとっては、あまりに冷たい水は辛い仕事です。 人と写真の状態を考えて、洗浄用の水の温度を考えてください。 ただお風呂のような暖かい水となると、 汚れだけでなく、写真表面のゼラチンも落としてしまいます。 できるだけ30度以下の水で洗浄するように心がけてください。 #
by rescuephoto
| 2011-04-29 22:22
| プリントの洗浄
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